一人親方の外注先とインボイス|登録している場合・していない場合の対応
建設業では、一人親方に工事の一部をお願いすることがよくあります。一人親方はインボイスの登録をしている人もいれば、していない人もいて、元請の経理の対応はそれによって変わります。
このページでは、国税庁の案内をもとに、登録している場合・していない場合の対応と、取引の条件を見直すときの注意点を整理します。
適格請求書
一人親方から届いた請求書に書いてある項目にチェックを入れると、インボイスの記載事項で足りないものを表示します。登録番号の形も確かめられます。
入力した値はこの画面の中だけで計算し、どこにも送信しません。
まず登録しているかを確かめる
- 請求書に「T + 13 桁」の登録番号が書かれているかを、上のチェックツールで確かめる
- 番号があれば、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで、本人の氏名と登録の状況を確かめる
- 外注先の台帳に、登録の有無・番号・確かめた日を記録する
個人の一人親方は、公表サイトに屋号ではなく本人の氏名が出ることがあります。
登録している一人親方の場合
請求書がインボイスの記載事項を満たしていれば、通常の外注先と同じように処理します。手書きや表計算ソフトの請求書では記載漏れが起こりやすいので、上のチェックツールで 6 つの記載事項を確かめます。
一人親方の側では、国税庁の案内によると、免税事業者から登録した個人事業者は、売上の消費税の 2 割を納める2 割特例(令和8年9月30日までの日を含む課税期間まで)を使えるとされています。さらに令和8年度の改正で、個人事業者には令和9年分・令和10年分に売上の消費税の 3 割を納める3 割特例が設けられました。登録を迷っている一人親方には、こうした特例があることを伝え、詳しくは税理士や税務署に確かめるよう勧めるとよいでしょう。
登録していない一人親方の場合
登録していない外注先からの仕入れは、本来は仕入税額控除ができませんが、国税庁の案内では、一定の期間は消費税相当額の一部を控除できる経過措置があります。令和8年度の改正で、令和8年10月1日から令和10年9月30日までは 70% とされています。
経過措置を使うには、帳簿に経過措置の対象である旨(「70%控除対象」など)を書き、区分記載請求書と同様の記載事項がある請求書を保存することが要件とされています。また、一つの免税事業者等からの仕入れが年間で一定額(令和8年10月1日以後に開始する課税期間は税込 1 億円)を超えると、超えた部分には使えないとされています。
取引の条件を見直すときの注意
登録していない一人親方との取引で、消費税の負担の分だけ代金を見直したいと考える場合でも、一方的に代金を引き下げたり、登録を強く求めたりすることは、法令上の問題になるおそれがあるとされています(公正取引委員会などの案内)。条件を見直すときは、一人親方と十分に話し合い、合意の内容を書面に残します。経理だけで決めず、社内の担当者や専門家に相談して進めてください。
よくある質問
一人親方に登録をお願いしてもよいですか?
お願いすること自体はありますが、登録しないことを理由に一方的に条件を変えるなどは、法令上の問題になるおそれがあるとされています。進め方は社内の担当者や専門家に相談してください。
登録していない一人親方の請求書はどう保存しますか?
経過措置を使う場合は、区分記載請求書と同様の記載事項がある請求書を保存し、帳簿に経過措置の対象である旨を書くことが要件とされています。
一人親方の 2 割特例・3 割特例はいつまでですか?
国税庁の案内では、2 割特例は令和8年9月30日までの日を含む課税期間まで、3 割特例は個人事業者の令和9年分・令和10年分とされています。個別の判断は税理士や税務署に確かめてください。
まとめ
一人親方の外注先は、登録の有無を確かめて台帳に記録し、登録していれば記載事項を、していなければ経過措置(令和8年10月から 70%)の要件を確かめます。取引の条件を見直すときは、一方的に進めず、話し合いと書面を大切にしましょう。