出来高払いの仕訳と未成工事支出金|工事が終わるまでの原価の集め方
工期が月をまたぐ工事では、協力会社への出来高払いが何回かに分かれます。建設業の経理では、工事が完成するまでの原価を工事ごとに集めておき、完成したときにまとめて原価にする考え方がよく使われます。そのときに使う科目が未成工事支出金です。
このページでは、出来高払いを未成工事支出金に集め、完成時に振り替える流れを、数字の例で整理します。
出来高請求の計算
契約金額と累計出来高率を入れると、今回の支払額を表示します。仕訳に使う金額の確かめに使えます。
入力した値はこの画面の中だけで計算し、どこにも送信しません。
流れの全体
- 協力会社から出来高の請求を受ける
- 工事が完成するまでは、原価を未成工事支出金(工事ごとの補助科目)に集める
- 工事が完成したら、集めた金額を完成工事原価に振り替える
どの時点で売上と原価を計上するか(工事が完成したときか、進み具合に応じてか)は、工事の契約の内容や会社の会計方針によって異なります。自社の方針は顧問の税理士に確認してください。ここでは、完成したときにまとめて原価にする形の例を示します。
出来高の請求を受けたときの仕訳
契約金額 5,000,000 円(税抜)の工事で、今回の出来高請求が 1,500,000 円(税抜)、消費税 150,000 円だった場合の例です。今回の請求額は上の計算ツールで確かめられます。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未成工事支出金(工事 A) | 1,500,000 | 工事未払金 | 1,650,000 |
| 仮払消費税 | 150,000 |
支払ったときは、工事未払金を減らして預金から支払う仕訳になります。協力会費などを差し引く場合は、差し引いた額を別の科目で記録します。
工事が完成したときの振り替え
工事 A が完成し、協力会社への出来高払いの累計が 5,000,000 円、ほかの材料費などの原価が 800,000 円、合わせて 5,800,000 円が未成工事支出金に集まっていたとします。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 完成工事原価 | 5,800,000 | 未成工事支出金(工事 A) | 5,800,000 |
振り替えたあとは、工事 A の未成工事支出金の残高が 0 になります。残高が残っていたら、振り替え漏れか、ほかの工事の原価が混ざっていないかを確かめます。
よくある間違い
- 工事ごとの補助科目を付けない: どの工事の原価か分からなくなり、完成時の振り替え額が出せません
- 完成した工事の振り替えを忘れる: 決算のときに未成工事支出金が実態より大きく残ります
- 出来高の請求額を今回分の率で計算する: 累計の差で計算しないと、端数がずれて完成時に契約金額と合わなくなります
よくある質問
未成工事支出金は必ず使わないといけませんか?
どの方法で原価を計上するかは、工事の内容や会社の会計方針によって異なります。自社の扱いは顧問の税理士に確認してください。
工事ごとの補助科目はどう付ければよいですか?
工事番号や現場名を補助科目にする方法がよく使われます。支払一覧や出来高の管理表と同じ番号にしておくと、突き合わせが楽になります。
期末に完成していない工事はどうなりますか?
完成するまでは未成工事支出金に残るのが一般的です。期末の扱いは会社の会計方針によるため、顧問の税理士に確認してください。
まとめ
出来高払いは、工事ごとに未成工事支出金へ集め、完成したときに完成工事原価へ振り替える流れにすると、工事ごとの原価が追いやすくなります。今回の請求額は上の計算ツールで確かめてから仕訳に進みましょう。