出来高請求の計算方法|累計出来高率から今回の請求額を出す
工期が数か月にわたる工事では、工事の進み具合(出来高)に応じて代金を何回かに分けて請求・支払いします。出来高請求でつまずきやすいのは、今回分の率ではなく累計の率で計算するという点と、端数の扱いです。
このページでは、上の計算ツールで金額を確かめながら、累計で計算する理由、仕訳の考え方、毎月の手順、よくある間違いを整理します。
出来高請求の計算
契約金額(税抜)と、前回までと今回までの累計出来高率を入れると、今回の請求額と消費税、契約の残りを表示します。
入力した値はこの画面の中だけで計算し、どこにも送信しません。
累計で計算する理由
出来高請求は、次の式で計算するのが基本です。
今回の請求額 = 契約金額 × 今回までの累計出来高率 − 前回までに請求した累計額
たとえば契約金額 5,000,000 円(税抜)の工事で、前回までの累計出来高が 30%、今回までの累計が 60% なら、今回までの累計額は 3,000,000 円、前回までの累計額は 1,500,000 円で、今回の請求額は 1,500,000 円です。
今回分の率(この例では 30%)を契約金額に掛けても同じ結果になることが多いのですが、率に端数があると、毎回の丸めの差が積み重なって、最後の回で契約金額と合わなくなります。累計額から前回までの累計額を引く形にしておけば、最後の回で累計 100% にしたときに、必ず契約金額とぴったり合います。
仕訳の考え方
建設業の経理では、工事が完成するまでの支出や受け取った代金を、工事ごとに管理する考え方がとられます。一般的には、外注先から出来高の請求を受けた側は、工事の原価として工事ごとに集計し、完成までは未成工事支出金のような科目で管理する方法が使われます。
どの時点で売上や原価を計上するかは、工事の契約の内容や会社の会計方針によって異なります。迷うときは顧問の税理士に確認し、工事ごとの集計の方法を決めておくと、月次の締めが楽になります。
毎月の手順
- 現場の担当者から、今回までの累計出来高率を受け取る(査定の結果があればそれも)
- 上の計算ツールに契約金額と前回・今回の累計率を入れて、今回の請求額を出す
- 請求書の金額と計算結果を突き合わせる
- 工事ごとの管理表に、今回までの累計額と契約の残りを書き込む
- 支払一覧に転記し、仕訳と振込データを作る
管理表に累計額を残しておくと、次の月は前回までの累計額を探す手間がなくなります。
よくある間違い
- 今回分の率で計算して丸める: 毎回の丸めの差が積み重なり、最後の回で合わなくなります
- 累計率が前回より小さい: 査定で出来高が下がった場合など、累計率が戻ることがあります。計算ツールはこの場合に確認を促します
- 累計率が 100% を超えている: 追加工事は契約金額の変更として扱い、率で吸収しないようにします
- 消費税を回ごとに別の方法で丸める: 端数処理の方法を工事の最初に決めて揃えます
よくある質問
出来高率は誰が決めますか?
一般的には現場の担当者が工事の進み具合を確かめて決め、元請と外注先の間で確認します。経理では、受け取った率と前回までの累計を突き合わせることが大切です。
査定で出来高が減額されたらどうなりますか?
累計出来高率が前回より下がる場合があります。計算ツールに入れると確認の表示が出るので、現場の担当者と外注先に経緯を確かめてから処理します。
前払金がある工事はどう計算しますか?
前払金の精算の方法は契約によって異なります。契約書の精算条件を確かめ、出来高の請求額から差し引く金額を工事ごとの管理表に残してください。
まとめ
出来高請求は、累計額から前回までの累計額を引く形で計算すれば、最後の回で契約金額と必ず合います。上の計算ツールで毎月の金額を確かめ、工事ごとの管理表に累計額を残しておきましょう。